大学の世界展開力強化事業ページ

大学の世界展開力強化事業とは

大学の世界展開力強化事業は、国際的に活躍できるグローバル人材の育成と大学教育のグローバル展開力の強化を目指し、高等教育の質の保証を図りながら、日本人学生の海外留学と外国人学生の戦略的受入を行う事業対象国・地域の大学との国際教育連携の取組を支援することを目的として、文部科学省において2011(平成23)年度から開始された事業です。令和4年度「大学の世界展開力強化事業 ~インド太平洋地域等との大学間交流形成支援~ 」に、本学の提案が選定されました。

事業名

Human Resource Development Program Contributing to the Realization of a Carbon Neutral Societyat Asia Pacific International Campus
(アジア大洋州国際キャンパスにおけるカーボンニュートラル社会の実現に貢献できる人材養成プログラム)

主な事業内容

(1)本学とエディスコーワン大学 (ECU) のジョイントディグリー (JD) プログラム

  • 環境情報学研究科博士前期課程に国際連携環境融合科学専攻を設置
  • 2023年6月 文科省に提出した設置届出書が受理
  • 2023年9月 オーストラリア・TEQSAの承認を得る:Course Code H22:Master of Environmental Studies
  • 「カーボンニュートラル」をキーワードにPBLや学生の自主的な取り組みを含めたジョイントディグリー(JD)教育課程を編成
  • JDは対面とオンラインを組み合わせたプログラムであり、AOFUA加盟の他の3大学もオンラインにて参加
国際連携環境融合科学専攻の構想国際連携環境融合科学専攻の構想

(2)アジア大洋州国際キャンパスの実現

  • 本事業に関係して今回活用を図るアジア・大洋州5 大学連合の枠組みにおける5 大学は時差2 時間以内の圏内に位置する。
  • このことから、JV-Campus 等のオンライン国際教育プラットフォームの活用が効果的であり、従来の教室で講義を受けるといった教育の姿を一変させる可能性を示している。
  • JD による人材育成プログラムではTCU 学生はECU に、ECU 学生はTCU に留学し東南アジア諸国のAOFUA 学生はTCU とECU に1 学期ずつNon-Degree 学生とし留学することで、多国籍の学生が一堂に会したグローバル教育を行う。
  • 入学時からオンラインで繋ぎバーチャルな教育も組み合わせることでスムーズにプログラムが開始され、従来のJD よりも教育効果 の高いプログラムを展開する。
JV-Campus コンテンツの共有

(3)国内協力大学との連携

  • 国士館大学、駒澤大学、昭和女子大学、成城大学、東京農業大学及び本学とで組織する世田谷6 大学コンソーシアムにより、交換講義、研究協力及び世田谷区を含めた地域交流を行っている。
  • また、東海大学、高知工科大学、琉球大学、室蘭工業大学、玉川大学、福井工業大学とは、大学間交流協定を締結しており、教育や研究面での交流を行っている。
  • これらの大学(国内協力大学)には、JV-Campus を利用して本プログラムコンテンツを共有する。
  • さらに、日本文化を含む教養科目のコンテンツ化を図り、JV-Campus を介してAOFUA 加盟大学等へコンテンツを公開・提供する。
世田谷プラットフォーム事業他大学との連携

育成する人物像

本学は、人間と生態系の尊厳を深く理解し、国際的な広い視座と高度な専門知識を駆使して、問題を発見し解決に向けて強い信念をもって行動することで、世界を持続的な発展へ導くことを役割・使命としています。その使命を達成するために、国際連携環境融合科学専攻ではエネルギーや工学的観点に基づく「生産」技術(SDG7)、リスクや社会学的観点に基づく「消費」行動(SDG12)、イノベーションと社会経済学的観点に基づく「政治・経営」(SDG9)の三分野とこれらの分野を有機的につなぐ共同開講科目群で構成する教育(SDG4)を通して、以下の知識・能力・教養を備えた人材を養成することを目的とします。(1)脱炭素技術を迅速に導入し、自然を破壊せず効果的に活用することで2050年カーボンニュートラル 社会の実現に貢献できる高度専門人材(SDG13,15)(2)高い専門性と俯瞰的な視点を持ち、困難な課題に真摯に取り組み、社会文化背景の異なる国を跨ぐ問題解決のための提案と具体的な行動を自発的に起こすことができるリーダー人材(SDG17)

事業責任者挨拶

事業責任者 国際センター長 田口 亮

2022(令和4)年度・大学の世界展開力強化事業に選定されて。世界的に学生の交流規模が拡大する中において、我が国にとって重要な国・地域の大学と質保証を伴った連携・学生交流を促進し、国際的に活躍できるグローバル人材の育成と大学教育のグローバル展開力の強化を図ることを目的に文部科学省において2011(平成23)年度から「大学の世界展開力強化事業」が開始され継続されている。2022(令和4)年度は「インド太平洋地域等との大学間交流形成支援」として日本と英国・インド・オーストラリア等の大学との間で、質の保証を伴った交流プログラムを実施する事業に対する支援として公募された。本学は、「アジア大洋州国際キャンパスにおけるカーボンニュートラル社会の実現に貢献できる人材養成プログラム(以下、本プログラムと呼ぶ)」を申請し、審査の結果、選定されるに至った。申請数は30 件で選定数は14 件であった。本プログラムは、オーストラリア・エディスコーアン大学(ECU)との修士号に対するジョイントディグリー(JD)プログラムを中軸とし、アジア大洋州5 大学連合(AOFUA)の加盟大学であるデラサール大学、タマサート大学SIIT、マレーシア工科大学MJIITも参画するものである。本プログラムは大きく3 つの柱からなっている。1. 大学院環境情報学研究科に国際連携専攻を新設し、「カーボンニュートラルを社会の実 現に貢献できる人材育成」を目的とするJD プログラムを本学とECU 間で構築する。2. 時差2 時間圏内に位置するAOFUA 加盟5 大学によりアジア大洋州国際キャンパスを実現する。3. 世田谷6 大学コンソーシアム加盟大学と本学が包括協定を締結している国内協定校(国内協力大学)の本プログラムのイベントへの参加とJV-Campus を利用した日本語、日本 文化等の教養科目(コンテンツ)の共同作成、共有し、そして国内外へ発信する。ECUと本学のJD プログラムの特徴は修士課程の2 年間(4 学期)において1 学期は本学の学生がECU のキャンパスに学び、1 学期はECU の学生が横浜キャンパスで学び、合計1 年間は両大学の学生が同じキャンパスにおいて共同で学ぶことになる。国際人の涵養に最も有力な手段であろう。本学とECU 以外のAOFUA 加盟3 大学の学生は、原則、ノンディグリー学生として本プログラムに参加する。交換留学制度や単位互換制度を最大限活用して多くの学生が参加することを望んでいる。この際、大きな武器になるのが「時差2 時間圏内」であり「オンライン教育プラットフォーム」を利用する国際キャンパスでの実時間教育である。国内協力大学においてはJV-Campus における教育コンテンツの共有、共同作成に重きを置くが、国内協力大学の国際的なプレゼンス向上にも寄与したい。また、本プログラムには例えばAOFUA のサマーキャッププログラムが内包されていて、サマーキャンプの対面・オンラインの同時実施(ハイブリッド)化を強化することで、国内協力大学の学生が容易に参加できるようになり、このことによりダイバーシティが増加し、より一層、魅力的な教育が実現されるであろう。選定からまだ半年で定常軌道を目指して活動を行っている段階である。本プログラムの実施には本学の皆様のご理解、ご支援、ご指導が不可欠です。皆様のご協力を、何卒よろしくお願い申し上げます。

事業責任者 国際センター長 田口 亮